カーポートの屋根勾配は前下がりと後ろ下がりどっちがいい?

カーポートの屋根はどっちを選んだらよいかわかりますか?

こんにちは、カーポート専門館の池本です。

今回はカーポートの屋根の傾き(屋根勾配と言います)、これをどの方向で設置すれば失敗がなくなるかを解説していきます。

カーポートの屋根勾配の方向によって、雨水の流れ方や雪の落ち方、視界が全く変わってきますので、カーポート工事をご検討されている方はぜひ最後まで読んでいってください。

目次

1台用カーポートで前下がり・後ろ下がりの考え方

まずは1台用カーポートから解説していきます。

片流れカーポートは逆勾配という名称

このように片側だけに柱がある良く見るタイプのカーポートですが「片流れタイプ」と言います。

この片流れタイプで「逆勾配」の屋根を選択することができます。

逆勾配カーポート

逆勾配のカーポートの使い所ですが、縦列駐車をするような場所に向いていますね。
一般的な屋根が上がっていくカーポートだと、雨の吹き込みや日光を防ぐ効果が薄くなってしまいます。

逆勾配だと効果は高くなります。

ご注意点は2つ。

柱を建物に近づけて建てるケースが多くなりますが、水道管や汚水管などの埋設物や住宅の基礎がある場合、柱の位置を住宅から離さないといけないことがあります。敷地が狭い場合は、さらに駐車スペースが狭くなってしまうので注意が必要です。

2つ目は、排水に関してです。

雨が降ると雨水は屋根先に流れていきますが、屋根先から柱まで雨樋が伸びていて、柱付近から排水されます。
屋根先に流れた雨水を柱まで戻すということです。

このような構造をしているので、排水された雨水が地面に落ちて屋根の下が濡れてしまうケースがあります。
また少し細かい話ですが、雨樋が屋根先から柱まで伸びているので、この高さが最も低い高さになることも注意が必要です。

カーポートの柱は(基本)垂直に建てる

一般的なカーポートは柱を垂直に建てるので、屋根は水平になります。

ですので、ほとんどの場合地面に勾配があると思うので、地面の勾配と屋根の勾配は横から見ると同じになりません。

でも、片流れタイプでも屋根を前後方向に勾配できるカーポートもあります。

三協アルミさんのスカイリードです。
この商品も柱は垂直に建てていますが、屋根に前後方向の勾配をつけることができるカーポートです。

三協アルミさんのスカイリード

両支持タイプのフラット屋根なら前下がり・後ろ下がり選択可

1台用には両支持タイプもあります。

この形に関しては2台用でまとめて解説をしますので、そのまま2台用の解説に入ります。

2台用カーポートで前下がり・後ろ下がりの考え方

2台用のカーポートは大きく2種類の屋根形状から選択できます。

R型とF型ですが、F型(屋根がフラットなタイプ)のみ前下がりと後ろ下がりに対応しています。

規格としては前下がりが基本

どのメーカーさんも、2台用カーポートのフラット屋根は、前下がりが基本です。

理由としては雨水の排水です。
家の外に雨水を排水したいので、前下がりにすればカーポートの前の柱に雨水を集めることができるためです。

一般的な戸建て住宅の駐車場は、道路側が低くなっていて、道路側に水が流れるようになっています。
カーポートの排水も道路に近い柱から排水したほうが、駐車場が濡れにくくなります。

でも、逆(後ろ下がり)に設置できないということはありません。

同じ商品を、単純にひっくり返して後ろ下がりで取り付けることも可能です。
排水が敷地の内側(多くの場合住宅側)の柱になるので、例えば汚水管とカーポートの雨樋を接続するなどをすれば排水の問題はクリアできます。

そうでない場合も「屋根の下の地面が多少濡れてしまっても問題ない」という場合は、屋根の向きは自由に決めても大丈夫です。

商業施設や貸駐車場などに屋根がある場合、後ろ下がりのカーポートが設置されていることがあるので、そのイメージを持っている方もいると思います。(自分もそうでした)

2台用カーポートで屋根形状がフラットな種類

屋根がフラットな2台用カーポートは種類が豊富です。
LIXILさんの商品をご紹介します。

ネスカF

最もコストパフォーマンスが良いネスカFの2台用。
サイズ・カラーや屋根材などの選択肢もたくさんあり、他の商品と遜色ありません。

フーゴF

ネスカと比較すると

  • 耐風圧強度が高い(ネスカ36m/s→フーゴ40m/s)
  • 梁延長や3台用、柱移動などのバリエーションが豊富
  • 枠の大きさや木目調が選択できる

という特徴があります。

耐風圧強度はカーポートの長持ちに関して直結する指標ですので、少しでも安心で長く使いたいという場合はこちらのフーゴがおすすめです。

梁延長タイプは駐車スペースを有効に使える場合もあり、よく選ばれる形になってきました。

フーゴFプラスという商品にすると、枠が肉厚になり、木目調を選択することもできてデザイン性をアップさせることもできます。

ソルディーポート

ポリカーボネートの屋根の中では最も強度が高いLIXILカーポートです。

耐積雪強度は50cm・100cm・150cmから選択でき、基準風速V0(耐風圧強度)は44m/sと非常に強い強度を持っています。

これまで紹介したネスカF・フーゴF・ソルディーポートは、最新の屋根材ブラックポリカ(ブラックマット)にすることができます。

カーポートSW・ST

スチール折板屋根のカーポートです。

耐積雪強度は30cm・50cm・100cm・150cm・200cmから選択でき、基準風速V0(耐風圧強度)は46m/sと最強の強度を持っています。

積雪用もありますが、台風の多い地域でも採用されることが多いロングセラー商品です。

少し変わった2台用の雨樋位置のカーポート

カーポートSC 2台用

LIXILさんの大人気商品「カーポートSC」の2台用では、正面から見て左右に屋根勾配がついている珍しいカーポートです。

雨樋を見せないスッキリした外観にするために、独特な排水方法になっています。

屋根の低い方の柱2本から排水されるので、後ろ側の柱から排水された雨水は駐車スペースの地面に流れてくる可能性はあります。

このデメリットはありますが、非常に人気のあるカーポートです。

カーポートSC 後方支持

こちらもカーポートSCで、カーポートの後ろ側だけの柱で2台分の屋根を支えています。

後ろ側にしか柱がないので、この3本の柱の2本から排水されます。

90度回転させてこのように取り付けることもできます。

まとめ

カーポートの前下がりと後ろ下がりについて解説してきました。

まとめますと、

1台用の片流れは

  • 柱から屋根先に向かうにつれて高さが高くなるタイプ(通常の形)
  • 柱から屋根先に向かうにつれて高さが低くなるタイプ(逆勾配)

があります。

片流れで前後方向(奥行方向)にも勾配を付けられるカーポートもありますが、種類は少ないです。

1台用・2台用の両支持タイプは、基本は前下がりですが、そのままひっくり返して後ろ下がりで設置することも可能です。

ただし、屋根の低い方の柱から雨水が排水されますので、後ろ下がりにした場合は屋根の下に排水された雨水が流れる可能性があります。

カーポートは前下がりと後ろ下がりどっちがいい?の総括

  • カーポートの前下がりは雨水を道路側に排水しやすい
  • 後ろ下がりは敷地内に排水されることがある
  • 前下がりは駐車場の地面が濡れにくい
  • 後ろ下がりは住宅側への排水設備が必要な場合がある
  • 雨樋の位置が排水方向を決めるポイントになる
  • 前下がりは道路側の基準に合わせやすい
  • 後ろ下がりは限られた敷地に適応する柔軟性がある
  • 前下がりは基本的な設置方向として推奨される
  • 両支持タイプは前下がり・後ろ下がりの選択が可能
  • カーポートの耐風圧強度を考慮して選ぶことが重要
  • 耐積雪強度は地域の環境に合わせて選ぶべき
  • 雨樋の構造がカーポート下の快適性に影響を与える
  • カーポートの屋根形状は設置目的に合わせる必要がある
  • 後ろ下がりは商業施設や貸駐車場で利用されることが多い
  • 設置時は地面の傾斜と屋根勾配の調整が重要
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この記事を書いた人

リクシルのエクステリア商品の専門家。
約20年、外構エクステリア業界に携わっています。
日本全国のお客様と60,000件以上関わらせてもらいました。
使い勝手が良く、コストを下げる提案が得意です。

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