車への積雪にカーポートで備えたい!
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お車の上に雪が積もると本当に大変です。朝あわてているのに、除雪しないといけなかったり、凍っていると溶かす必要もあったりと、かなり時間を取られます。冬場だけとは言え、それが毎朝の作業ともなると、本当にうんざりしますよね。日本の国土の約50%は、積雪20㎝以上ある積雪地域のため、こんなわずらわしさを解決するためにカーポートを建てたいと考える人も少なくありません。
カーポートの雪に対する強さ
各メーカーの商品カタログを見てもらうと分かりますが、どのカーポートにもそれぞれ雪に対する強度が必ず記載されています。カーポートの上から下に向かってかかる荷重に対する強度を、「耐積雪強度」という形で積雪の厚みに換算してセンチメートルで表しています。カーポートのラインナップを調べてみましたが、どの大手メーカーも下記のような積雪量の区分けになっていました。
- 20㎝
- 30㎝
- 50㎝
- 100㎝
- 150㎝
- 200㎝
判断基準は垂直積雪量
まず基本的に、積雪地域に耐積雪強度の低いカーポートを設置することはできません。製造物責任法(PL法)という法律があるため、製造業者は製造物に責任を持たないといけません。そのため、各地域ごとに定められている基準値以上の強度でないと、メーカーは商品を販売してくれません。
各地域ごとに定められている基準値とは何かと言うと、それは「垂直積雪量」です。この数値は公表されているため、市町村役場のホームページに掲載されていることもありますし、直接電話しても教えてくれます。ご自身の地域の垂直積雪量を聞いて、「え!?そこまで雪は降らないのに」と感じる場合もあります。具体的な計算方法は分かりませんが、この数値は建築基準法を見ると、過去15~68年間分という長期データから想定された数値とのことなので、このように感じることもあるかもしれませんね。
雪下ろしのタイミング
積雪量で注意しないといけないことがあります。それは雪の重さの違いです。耐積雪強度の計算は、メーカーのカタログには「新雪」と書かれており、具体的には積雪量1㎝あたり30N/㎡(3㎏/㎡)[雪比重0.3]で算出されています。簡単に言うと「縦横それぞれ1メートルの範囲に、高さ1センチメートル雪が積もった時、重さが3キログラムの雪」を基準にしています。
ただ、雪質が変わると雪の重さは変わります。雪質は、地域や時期など条件によってさまざまに変化します。仮にカーポートの耐積雪強度が200㎝であっても、水分を多く含んだ重い雪なら、雪が100㎝や150㎝積もった段階で雪下ろしはしないといけません。あとは、雪が降り積もっていくと下の雪は圧縮されますし、少し溶けて氷の状態になっていると、さらに重くなります。そのため、見た目の積雪量で判断してはかなり危険です。早め早めに雪下ろしするのが一番いいですが、ワンランク高い耐積雪強度のカーポートを設置しておくことで、雪下ろしの手間は少しは軽減できます。
雪の吹き込み対策
カーポートがあるからといって、屋根下に雪がまったく入ってこないわけではありません。カーポートには四方に遮るものがないので、少しでも風があると横から雪が吹き込んできます。カーポートの高さを高くするほど、さらに吹き込みは増えます。
対策としては、カーポートのオプションにある「サイドパネル(サイドスクリーン)」を付けるのが効果的です。このオプションは、簡易的な壁のようなものなので、吹き込み軽減はもちろん目隠し効果もあります。折板屋根のカーポートなら、両側と背面側に取り付けて「3面囲い」も可能です。ひとつ、ネックなのは価格が結構上がってしまう点です。
落雪は想定されていない
カーポートの耐積雪強度は、あくまで降雪に対しての強度です。落雪に関しては想定されていません。雪は見た感じは軽そうに見えますが、100%水分なので積もれば相当重くなります。そんな重いものが高い所から一気に落ちてくる衝撃には、さすがにカーポートでも耐えることはできません。
リクシルの耐雪カーポート
カーポートは、とにかくたくさんの種類があります。そのため、最初はどの商品にしようかと迷うはずです。ただ、積雪地域の場合、雪が多く降る地域ほどカーポートの選択肢というのは、どんどん狭くなります。色んなデザインから選びたいという人には残念な話ではありますが、ポジティブに考えると、選択肢が狭いということは逆に迷わなくていいということですね。
特に雪の多い豪雪地域なら、「カーポートST」という折板屋根のカーポートがおすすめです。リクシルの中で耐積雪200㎝まで対応しているのは、このカーポートだけです。当サイトのカーポート一覧ページには、強度を分かりやすく星の数で表示しています。積雪地域の場合は、星3つ以上のカーポートを選びましょう。