こんにちは、カーポート専門館の池本です。
2024年6月にLIXILさんのカーポートにブラックポリカが発売されました!
正式名称は「一般ポリカーボネート ブラックマット色」と言います。
業界では通称ブラックポリカと呼んでいます。
これまでは黒いカーポートにしたい場合、カーポートSCのような「屋根もアルミのカーポート」しか選択肢がなく、一般的なポリカ屋根と比較すると金額がかなり高くなっていました。
これからはポリカ屋根のカーポートでもオールブラック(真っ黒)にすることができます!
この記事では
- ブラックポリカが選択できる種類
- ブラックポリカの金額
- ブラックポリカの注意点(メリット・デメリット)
などを解説していきます。
ぜひ最後まで読んでいってください^^
ブラックポリカ対象のカーポート
まずはブラックポリカの設定があるLIXILカーポートをご紹介します。
ちなみにYKKさんや三協アルミさんでも発売されています。
ネスカF型
LIXILさんで最もコストパフォーマンスが高いカーポートと言えばネスカですが、屋根がまっすぐなネスカF型がブラックポリカの対象になりました。

ネスカにはR型もありますが、R型はブラックポリカの設定がありません。
最近に人気のあるF型のみですのでご注意ください。
上の画像のように1台用だけでなく、2台用にも対応しています。
すべてブラックにするとかなり落ち着いた、高級感のある印象になりますね。
ちなみにネスカFの強度は1台用・2台用ともに
- 耐積雪強度:20cm
- 基準風速V0:36m/s
です。決して強度が弱いわけではなく一般的な強度を持ったコストパフォーマンスが高い商品です。


フーゴF型
LIXILさんのフーゴ「従来品より高い強度」「バリエーションが多い」という特徴を持つ、スタンダードなカーポートです。
バリエーションが多いので、ブラックポリカに対応した商品も多いです。

フーゴF型は1台用から3台用までブラックポリカに対応しています。
ネスカと同様にR型は対応していませんのでご注意ください。
フーゴF型2台用・3台用には「プラス」というワンランクグレードが高い商品があります。
枠の形状が分厚くなっていることとその枠を木目調にすることができるカーポートです。
これらもブラックポリカに対応しています。
フーゴFの強度は
- 耐積雪強度(600タイプ):20cm
- 耐積雪強度(900タイプ):30cm
- 基準風速V0(1台用):38m/s
- 基準風速V0(2台用・3台用):40m/s
です。



ソルディーポート
ポリカーボネート屋根の中では最強の強度を持つソルディーポートもブラックポリカに対応しました。

上の写真は耐積雪強度が50cmのタイプですが、強度を上げる場合は以下のように柱本数が増えます。

どの積雪強度、台数でもブラックポリカに対応してます。
ソルディーポートにはR型は存在しませんので、すべて対応している、ということになります。
ソルディーポートの強度は
- 耐積雪強度(3種類):1500(50cm)、3000(100cm)、4500(150cm)
- 基準風速V0:44m/s
と非常に強い強度を持っています。
屋根がアルミですべてをブラックで統一できるカーポートSCは、耐積雪強度50cm(1500タイプ)の強度まではありますが、耐積雪強度100cm以上の強度で屋根材までブラックにできるのはソルディーポートだけです。
ブラックポリカの性能
続きましてブラックポリカの性能を見ていきます。

ブラックポリカの正式名称は「ポリカーボネート板 ブラックマット」です。
上のカタログ抜粋でいうと、一番左側です。
他の屋根材と比較すると、明らかに黒いですし(笑)、実際に性能も大きく異なります。
まずは「全光線透過率」が0%ということ。
これは、光を全く通さないということです。
次に熱線カット率ですが、これもポリカーボネートの中では最大の72%。
熱線吸収ポリカーボネート(ブルーマットS)よりもカット率が高いのです。
※熱線吸収ポリカは色が濃くなることで熱線のカット率をUPしていると思うので、ブラックポリカの熱線カット率が高いのは当然といえば当然の結果です。
ブラックポリカの性能をまとめると、
- 光は通さない(屋根の向こう側は全く見えない)
- 熱線カット率が非常に高い
ということです。
ブラックポリカのメリット・デメリット
ここからが本題と言っても良いですが「実際の所、ブラックポリカは買いなの?」と疑問や心配はあると思います。
現段階で考えられるメリット・デメリットについて説明していきます(私個人の主観が多分に入ります)
メリット
①今までできなかったオールブラックにすることができる
厳密に言うと本体と屋根材がアルミで統一されているカーポートSCならオールブラックにすることはできましたが、一般的なポリカーボネート屋根と比較すると金額が2倍以上になってしまいます。
そういう意味で、今までポリカ屋根ではできなかったオールブラックに対応することができるようになりました。
最近の住宅の外観は黒系が多いので、ブラック系のカーポートは人気があります。
その中でブラックポリカは良い選択肢になると思います。
②高級感がUPする
これは①の続きになりますが、オールブラックにすることで高級感がUPすると思います。
色の明るいカーポートに高級感がないということではなく、濃い色で統一されていると、シックなイメージになり高級感が増すことが多いです。
このブラックポリカに関しては、今までにない見た目ということもありますが、個人的には高級感があると感じました。
③熱線をカットできる
ブラックポリカはポリカーボネート屋根の中では最も熱線をカットすることができます。
光は一切通さず(全光線透過率0%)、熱線カット率も最も高い72%。
ブラックポリカが発売されるまでは、熱線カット率を大幅に上げるためには、ポリカではなく
- 熱線遮断FRP板(熱線カット率70%)
- アルミ樹脂複合板(熱線カット率100%)
に変更するか、カーポート自体を変更してアルミ屋根のカーポートSC、スチール折板屋根のカーポートSW・STしか選択肢がありませんでした。
ブラックポリカは他のポリカーボネートよりも金額は上がってしまいますが、最も安い価格帯のポリカの中で選択肢が増えたのは良いことだと思います。
デメリット
①ポリカの中では最も高額
ポリカーボネート屋根には「一般ポリカーボネート」と「熱線吸収ポリカーボネート」がありますが、ブラックポリカは一般ポリカーボネートのカテゴリです。
でもブラックポリカは熱線吸収ポリカーボネートよりも金額が高いんですよね。

フーゴF型1台用の価格表の抜粋です↑
一番小さいサイズ24-50標準柱だと
- 一般ポリカ:295,300円
- 熱線吸収ポリカ:304,400円(一般ポリカの約3%UP)
- ブラックポリカ:337,700円(一般ポリカの約15%UP)
という価格設定です。
ポリカの中でも結構金額はあがってしまいます。
②(予想)劣化が目立つ可能性
ポリカーボネートは非常に強度が高く長持ちもするのですが、直射日光はもちろん、雨風や飛来物にも晒されますので、劣化はします。
私が考えるブラックポリカの懸念点として、劣化後の見た目についてです。
ブラックポリカに限らずポリカが劣化すると色が薄く(色が白く)なります。
もともと明るい色のカラーなら劣化して色が薄くなってもさほど目立ちませんが(劣化が進むと目立ってきます)、色が特に濃いブラックポリカの場合は、他のカラーより劣化が目立つ可能性があります。
また、黒は熱を吸収しやすい特徴があります。
熱線のカット率は非常に高いですが、ブラックポリカ自体の温度は上がると思いますので、その分劣化が早く進んでしまう可能性もあると思います。
ただこれらの懸念は現在のところ、想像の域を出ませんし、設置環境によってかなり左右されるとは思います。
ブラックポリカ(ブラックマット)まとめ
はい、現在入っている情報でブラックポリカの解説をしてきました。
発売されたばかりの商品なのでこれから新しい情報も出てくるとは思います。
現段階のメリットとしては
- お手軽にオールブラックのカーポートにすることができる
- お手軽に熱線カット率が高い屋根材に変更することができる
- 落ち着いた高級感のあるカーポートに仕上げることができる
があります。
デメリットとしては
- 金額が他のポリカよりも高い
- 劣化が早くて目立つ可能性あり
はありますが、デメリットの②に関しては、まだ実際のところは分かりません。
5年、10年と使ってみてどうなるか、というところだと思います。
今回の記事がカーポートをご検討中の方の参考になればうれしいです!
ご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
全国にカーポートを販売して18年の実績を基に、回答いたします。
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