「おすすめのカーポートを教えてほしい」への回答です

こんにちは、池本です。

カーポートはほしいけど、具体的にどの商品がほしいと決まっていない時、店員さんにおすすめのカーポートを教えてほしいですよね!

でも実は、万人におすすめできるカーポートというはありません。

大手メーカーさんのカーポートはたくさんの種類があり、それぞれ

  • 見た目(デザイン)
  • 強度(耐積雪強度と耐風圧強度)
  • 金額
  • 素材

が異なります。

これらの組み合わせでカーポートが決まってきますが、今回はLIXILさんのカーポートで、いろいろなご要望パターンに対してのおすすめカーポートを紹介・解説していきます。

これからカーポートをご検討される方の参考になるとうれしいです。

目次

コストパフォーマンスが最も大切

ネスカ

LIXILネスカシリーズ

LIXILさんで最もコストパフォーマンスが良い商品、これは「一般的な強度がありながら金額が安いカーポート」という意味になりますが、ネスカというカーポートです。

屋根の形状はR型とF型がありますが、1台用の場合はほとんど金額は同じです。
※以下の金額は横幅2.7m×奥行5mの場合です。

風に対する強度は異なります。

  • 1台用R型:基準風速V0=34m/s(定価287,600円)
  • 1台用F型:基準風速V0=36m/s(定価285,100円)

1台用に関してはF型の方が強度が強いので、デザインに拘りがない場合はF型をおすすめします。
→最近の住宅はシンプルなデザインが多いので、人気的にもシャープな印象のF型が売れています。

2台用に関してはデザインと金額に明らかに差が出ます。

コスパを最も大切にしようとするとR型一択です。
値段が安くて強度も高い。
※以下の金額は横幅5.4m×奥行5mの場合です。

  • 2台用R型:基準風速V0=40m/s(定価552,300円)
  • 2台用F型:基準風速V0=36m/s(定価660,700円)

2台用になるとR型の方が強度が強くて定価も10万円ほど安いので、デザインに拘りがない場合はR型をおすすめします。
→でも最近はF型の方がよく売れています(1台用と同じで住宅の雰囲気に合うことが多い)

ネスカのご注意点

耐積雪強度は20cmのみなので、積雪地域には設置することができません。

車を横に3台駐車できるバリエーションはありません。
1台用をM合掌+Y合掌で3台用にすることは可能ですが、デードスペースが大きくなるのであえておすすめはしておりません。

でも、リクシルさんのカーポートの中では最も安い商品ですので、よく売れています。
他メーカーさんでもほぼ同じグレードのラインナップもあります。

  • YKK:アリュース
  • 三協アルミ:カムフィエース・セルフィ

風に対する強度が大切

次は前提として「台風などの強風が心配なので、風に対する強度が高いカーポートがほしい」場合のおすすめです。

フーゴシリーズ

LIXILフーゴシリーズ

まずご紹介したいのはフーゴシリーズ。

見た目は先ほど紹介したネスカとほとんど変わらないですが、実はサイズも同じだったりします。

ネスカと異なるのは

  • 耐風圧強度が高い
  • バリエーションが多い

ということです。

例えばネスカR1台用の耐風圧強度は基準風速V0=34m/sでしたが、フーゴR1台用では基準風速V0=36m/sです。
F型と2台用もまとめてみると

  • ネスカR1台用(基準風速V0=34m/s):フーゴR1台用(基準風速V0=36m/s)
  • ネスカF1台用(基準風速V0=36m/s):フーゴF1台用(基準風速V0=38m/s)
  • ネスカR2台用(基準風速V0=40m/s):フーゴR2台用(基準風速V0=42m/s)
  • ネスカF2台用(基準風速V0=36m/s):フーゴF2台用(基準風速V0=40m/s)

という感じですべてフーゴのほうが強度が高い設定です。

金額(商品定価)に関してはネスカより10%高く設定されているのがフーゴです。

フーゴの金額に関しての注意点ですが、定価は10%UPですが、割引率はネスカのほうが大きいショップさんが多いので、10%以上の差が出ることがほとんどだと思います。

カーポートSC

LIXILカーポートSC

カーポートが風に強いかどうかの重要なポイントに「屋根材が飛ばされるかどうか」があります。

先に紹介したフーゴに関しては、風に強い強度を持っていますが、屋根がポリカーボネートなので強風時に飛ばされてしまう可能性はあります。

ここで紹介する風に強いカーポートは、屋根材が本体と同じアルミでかっこいいデザインのカーポートSCです。

屋根材がアルミ(金属)ですので、ボルトでしっかり固定していて風で飛ばされるような構造になっていません。
2017年発売でかなりの台数を販売してきましたが、今のところ不具合はゼロの優秀な耐風圧強度を持っています。

デザイン性も良いですが、強度も高いので人気があるカーポートです。
・・・でもポリカーボネート屋根のカーポートと比較すると2~3倍の金額になってしまいます。

オプションのサポート柱

オプションのサポート柱

片流れタイプのカーポートは風が吹くと屋根が揺れます。
屋根が揺れが強いと、ねじれが生じてしまい、特にねじれが生じやすい端の屋根材が外れる可能性が上がります。

着脱式サポート柱を取り付けると屋根の揺れを抑えることが出来ますので、屋根材が外れる可能性がぐっと減ります。
着脱式サポート柱を取り付けるだけで「耐風圧強度が◯◯UPする」という数値は出ていませんが、サポート柱を取り付けている現場で、屋根材が外れたと連絡を受けた記憶はありません。

ネスカ・フーゴには耐風圧・耐積雪パッケージというオプションがあり

  • 着脱式サポート柱
  • 母屋補強材
  • 屋根材ホルダー

を全て取り付けると

  • 耐積雪強度20cm→30cm
  • 基準風速V0が+4m/s(36m/sの場合は40m/s)

にアップします。

カーポートSW

LIXILカーポートSW

最後に紹介する風に強いカーポートは、LIXILさん最強の「カーポートSW」です。

いわゆるスチール折板のカーポートですが、本体はアルミで屋根材はガルバリウム鋼板(中身は鉄)です。

積雪用カーポートのように見えますし、実際に強度も高いのですが、風に強いカーポートの代表格でもあります。

実際に弊社工事で、風で屋根材が外れたり本体が傾いたりという「構造体」の不具合が起こったことは一度もありません。(枠が外れたことが一度だけありますが、再取り付けで修繕できています)

九州から北海道まで全国的に採用されていますが、豪雪地域に関しては次の項目で紹介する「カーポートST」という商品になります。見た目はほとんど同じです。

積雪地域と豪雪地域

カーポートを選定する際、まず気にしないといけないのが雪が降る地域かどうかです。

おすすめのカーポート、というテーマでももちろん大切で、一般地域用か積雪地域用かということでカーポートの種類がガラッと変わります。

雪がたくさん降る地域に一般地域用のカーポートを取り付けることはできません

30cm~50cmまでが積雪地域で、それ以上を豪雪地域として考えていきます。

カーポートの名前で言うと1500タイプが積雪地域、3000、4500、6000タイプが豪雪地域用という区分けになります。

  • 1500:耐積雪強度50cm
  • 3000:耐積雪強度100cm
  • 4500:耐積雪強度150cm
  • 6000:耐積雪強度200cm

1500タイプ(耐積雪強度50cm)のカーポート

フーゴR1500

LIXILフーゴR1500

ポリカ屋根の1500タイプ。
写真のように2台用だと柱は合計6本建ちます。(一般地域用は4本)

フーゴR袖壁1500

LIXILフーゴR袖壁1500

柱側の屋根がクルッと曲がっていて雪が落ちやすい形状をしています。
こちらも2台用は柱6本です。(1台用は3本建ちます)

カーポートSC1500

LIXILカーポートSC1500

2台用は柱が6本建ちます。(一般地域用は4本)
1台用に関しては一般地域用は片側だけ2本建ちますが、1500タイプは両支持タイプになります。

ソルディーポート1500

LIXILソルディーポート1500

ポリカ屋根ですが、非常に強度が高いカーポートです。

カーポートSW1500

LIXILカーポートSW1500

スチール折板屋根のカーポート。風にも雪にも強いカーポートの代表です。

3000タイプ(耐積雪強度100cm)のカーポート

ソルディーポート3000

LIXILソルディーポート3000

柱本数は6本です。(1台用でも両支持タイプなので同じ本数です)

カーポートST3000

LIXILカーポートST3000

柱本数は4本と6本で選択できます。
3台用に関しては2024年に新商品が発売されて、従来は柱8本しかありませんでしたが、6本にできるサイズがラインナップされました(↑写真)

4500タイプ(耐積雪強度150cm)のカーポート

ソルディーポート4500

LIXILソルディーポート4500

柱は8本建ちます。

カーポートST4500

LIXILカーポートST4500

こちらも3000タイプ同様に2024年10月に新商品が発売されて、柱8本→6本タイプが選択できるようになりました。

6000タイプ(耐積雪強度200cm)のカーポート

カーポートST6000

LIXILカーポートST6000

耐積雪強度200cmの6000タイプに関してはカーポートSTのみです。

カーポートはデザインが大切

カーポートは駐車場に設置するので毎日目にするエクステリアです。

住宅に入る際に見える住宅の外壁や外構全体のことをファサードと言いますが、カーポートはこのファサードにも大きく影響します。

デザインに関しては個人によって感じ方がかなり変わるので、一般的なカーポートと異なるデザインのカーポートを紹介していくようにします。

今回の場合の一般的なデザインとは、ポリカーボネート屋根のR型・F型、スチール折板のカーポートとします。

カーポートSC

LIXILカーポートSC

まずは何と言っても大人気のカーポートSCは外せないですね。

最も特徴的なのは、屋根材が本体と同じアルミで作られていることです。
これまでのカーポートは屋根材がポリカーボネートが一般的で、強度が高いものはスチール折板屋根のカーポートでした。

そこにアルミ屋根のカーポートSCが発売されたのが2017年。そこから今でも非常に人気があるカーポートです。
屋根の下側(天井)を木目にすることも出来ます。

かっこいいだけではなくて、風にも強い特徴もあります。

ただ以下のご注意点もあります。

  • 他のカーポートよりも柱が太い
  • 金額が高い(一般的なカーポートの2~3倍)
  • 基礎が大きい
  • 屋根がアルミなので屋根下は完全に日陰になる

デメリットと考えられるところもありますが、デザイン性と強度という2つの大きなメリットがあるので、人気が衰えませんね・・・

照明のバリエーションもたくさんあって、機能性も高いです。

アーキフィールド

アーキフィールド
ナチュラルシルバー+クリエペール

ファサードが一気に豪華になるカーポート、アーキフィールドです。

横幅は9mまで対応することができる超幅広タイプ。

アプローチ部分の天井を木目にしたり、ダウンライトを取り付けたり、屋根を木目とポリカのゼブラに出来たりと、他のカーポートと比較するとその差は明らか。

組み合わせで特殊な地形にも対応できるパターンもあります。

ナチュラルシルバー+クリエモカ

Gルーフ カールーフ

LIXILさんにはプラスGと言って「庭を間取る」ことができる商品があります。

LIXILプラスG

屋根を付けたり仕切りを付けたり、目隠しも出来たりと、庭や駐車場を自在にデザインすることが出来ます。

今回紹介するカールーフは「カーポート単品」です。非常にわかりやすい商品。

Gルーフ カールーフ

このように天井を木目調にしたり、正面から見て左の柱のように、壁を作ることも出来ます。

唯一無二のカーポートに仕上げることが出来ますね!

フーゴA(フーゴAプラス)

ここまで紹介してきたカーポートは、デザインが明らかに異なる分かりやすい商品でしたが、ポリカのカーポートでもフーゴAは少しデザインに特徴があります。

上がフーゴA、下がフーゴAプラスです。

違いは、正面から見た時に屋根の枠と目隠しが付いているかどうかです。

熱線カット優先だが、明るさもほしい

夏の暑い日差しをカットすることを優先したい場合、一番効果が高いのは「完全遮光」のアルミやスチール折板の屋根材を使用しているカーポートを選ぶことです。

でも、できるだけ屋根の下は明るくしたい!というご希望がある場合、どうするかですが、明るさがほしいということで、まずは光を通す屋根材のポリカーボネートが選択肢に挙がります。

この中で一番熱線カット率が高いのは左端のブラックマットです。
熱線カット率72%。でも全光線透過率という光を通す指標がなんと0%なので光を全く通しません。
なので、今回のご要望にはブラックマットは提案できない。

次に熱線カット率が高いのが右から2つ目の熱線吸収ポリカ(ブルーマットS)で、熱線カット率52%。
明るさを示す全光線透過率は17%なので、こちらも結構暗くなります。

その右の熱線吸収ポリカ(クリアマットS)は全光線透過率80%と非常に明るいですが、熱線カット率は36%まで下がらいます。

ポリカではなかなかご要望を満たすことができなさそうです。

そこで、実はなんですが、ポリカの代わりに熱線遮断FRP板(ミストグレーS)という屋根材を使うことが出来ます。

熱線カット率は70%なので、真っ黒のブラックマット73%と同様、非常に高い熱線カット率。

全光線透過率は30%なのでブルーマットSの17%と比較すると約2倍くらい光を通します。

カーポートの屋根材は「熱線カット優先だが、明るさもほしい」というご要望にはこの屋根材がおすすめです。

。。。おすすめなんですが、金額がかなり上がるんですよね・・・

例えばフーゴF1台用で横幅2.7m×奥行5m×高さ2.2mで屋根材違いの金額の比較をします。

  • 一般ポリカ:313,200円
  • 熱線吸収ポリカ:321,600円
  • ブラックマット:362,400円
  • 熱線遮断FRP板:487,200円

性能が良い分、かなり金額が上がってしまいます。

木目調が入ったカーポートが良い

これはデザインのところと少し意味合いが似てきますが、もっと具体的に「カーポートに木目調を入れたい」場合です。

フーゴF、フーゴAプラス

ポリカ屋根のスタンダードカーポート「フーゴ」のFとAタイプに、屋根周りに木目調を入れることができます。

少し細かい話になりますが、以下のラインナップです。

  • フーゴF1台用
  • フーゴFプラス2台用
  • フーゴAプラス(1台用・2台用とも)

1つ目のフーゴF1台用だけイレギュラーで、他の商品は「プラスで木目調を選択できる」のですが、F1台用だけはプラスという商品がなく、通常の商品で木目調を選択することが出来ます。(木目調を選ぶと金額は上がります)

カーポートSW・ST

カーポートSWの木目調

力強いイメージの折板屋根カーポートSW・STですが、こちらも枠周りに木目調を入れることが出来ます。

2024年10月より選択できるカラーが増えて、より柔らかい印象にすることができるようになりました。

カーポートSW・STで選択できる木目カラー(屋根枠のみ)

カーポートSC

大人気のカーポートSCですが、アルミカラーも人気がありますが、天井を木目調にするパターンもよく売れています。

注意点がありまして

  • 本体はブラックのみ(他のカラーで木目調は選択できない)
  • 金額が結構上がる

この2点です。

「金額が結構上がる」ということですが、具体的には

1台用で定価約20万円アップ、2台用で定価約40万円アップ

です。

サイズによって少し前後しますが、かなりの金額アップですよね。
実際の販売金額は本体の割引もあるのでここまでの金額アップではないですが、一気に金額が上がることは確かです。

アーキフィールド

アーキフィールドも天井を木目調にしたり、ポリカとポリカの間だけ木目調にすることも出来ます。

上の写真のように、左の玄関へのアプローチは照明付きの木目調、駐車スペースはポリカの間に木目調を入れています。

フェンスや玄関ドアと色合いを合わせるとファサードに一体感が出ます。

Gルーフ カールーフ

Gルーフ カールーフ

最も木目調を入れることができるカーポートがGルーフ カールーフです!

上の写真は枠も天井も木目調で統一されています。
※屋根材はポリカーボネートです。

画像が小さいですが、こんな感じで柱も木目調にすることができます。

本体がホワイトのカーポートがほしい

需要が多いわけではないですが、カーポート本体のカラーが白(ホワイト)がほしいというご要望をいただくことがあります。

  • ネスカR
  • フーゴR
  • フーゴA
  • Gルーフ カールーフ

ホワイトが選択できるカーポートは数が少なくて選択肢は少ないです。

ナチュラルテイストの住宅にはホワイト色、結構合うと思います!

おすすめのカーポートまとめ

今回はおすすめのカーポートについて解説をしてきました。

なかなか万人におすすめできるカーポートというのはなくて、設置条件やご希望によっておすすめはかなり変わってきます。

今回紹介した設置条件やご希望の例は以下の通りです。

  • とにかく「コスパ!」重視
  • 風に対する強度優先
  • 積雪地域と豪雪地域
  • デザイン
  • 熱線カット優先だが、明るさもほしい
  • 木目調が良い
  • カラーがホワイトのカーポートが良い

カーポートを相談している店員さんにおすすめを聞く時に、これらの条件を示してあげると絞りやすいと思います。

理想のカーポートを設置できるように活用していただけると嬉しいです。

私達もカーポートを全国に販売しているので、お気軽にご相談ください^^

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    リクシルのエクステリア商品の専門家。
    約20年、外構エクステリア業界に携わっています。
    日本全国のお客様と60,000件以上関わらせてもらいました。
    使い勝手が良く、コストを下げる提案が得意です。

    コメント

    コメントする

    目次