リクシルのカーポートで後悔しないための全知識|20年プロが本音で語る選び方

こんにちは、コウケンNETカーポート専門館の池本です。この道一筋、約20年。エクステリアの仕事に携わってきました。

この記事を読んでくださっているあなたは、きっと今、「リクシルのカーポート」について色々と調べている最中なのではないでしょうか。

「カーポートSC、フーゴ、ネスカ…たくさん種類があって、どれも良く見えるけど、本当の違いは何なんだろう?」

「決して安い買い物じゃない。設置してから『こんなはずじゃなかった』と後悔するのだけは絶対に避けたい…」

「カタログやネットの情報は良いことばかり。でも、本当に知りたいのは、もっと正直な話。何を信じたらいいんだろう…」

そんなふうに、たくさんの情報の中で、少し途方に暮れるような気持ちになっていませんか?そのお気持ち、痛いほどよく分かります。

カーポートは、一度建てたら10年、20年と、あなたの暮らしと共にある大切な存在です。だからこそ、慎重になるのは当たり前ですし、その迷いは、ご家族の未来を真剣に考えている証拠だと私は思います。

本題に入る前に、少しだけ私の考えをお話しさせてください。

私たちコウケンNETの仕事は、単にカーポートを売って、工事をすることではありません。私たちの本当の仕事は、お客様が選んだその一台が、10年後、20年後もご家族の暮らしを快適に、そして安全に守り続けてくれることを見届けることです。

だから、私は「売りっぱなし」が一番嫌いです。目先の安さや、その場しのぎの提案は決してしません。工事が終わってからが、お客様との本当のお付き合いの始まりだと、本気で考えています。

この記事では、そんな私の20年の経験と知識のすべてを、正直にお伝えします。良い点だけでなく、注意すべき点や、プロだからこそ知っているデメリットもしっかりと。あなたのカーポート選びが、未来の安心につながる、心から満足できる選択になるよう、誠心誠意サポートさせてください。

目次

専門家によるガイド:あなたの暮らしに寄り添うリクシルカーポートを見つけるために

リクシルのカーポートは、本当にたくさんの種類があります。ですが、それぞれのモデルには、開発された理由と、得意なこと、そして少し苦手なことがあります。まずは全体像を掴んでいただくために、主要なモデルを一覧にしてみました。ご自身の希望と照らし合わせながら、ご覧になってみてください。

モデル名コンセプト価格帯(目安)こんな方におすすめ池本の一言
カーポートSCデザインの究極形¥¥¥¥¥デザインを何より重視し、建物の美観を最大限に高めたい方価格は高いですが、この美しさは唯一無二です。選ぶ価値は十分にあります。
フーゴ新時代のスタンダード¥¥¥性能と価格のバランスを重視し、将来の気候変動にも備えたい堅実な方近年の台風の大型化を考えると、多くの方にとって最も安心できる選択肢です。
ネスカコストパフォーマンス¥とにかく予算を抑えたい、でも信頼できるブランドの基本的なカーポートが欲しい方エントリーモデルですが、基本性能はしっかり。ただし、強度面はフーゴと比較検討を。
カーポートSW/ST高強度(耐風圧・耐積雪)¥¥¥台風が多い地域、積雪地域にお住まいで、何よりも頑丈さを求める方「雪国用」というイメージは間違い。台風対策の「最終兵器」とも言えるモデルです。
ソルディーポート高強度と採光の両立¥¥¥¥高い強度が必要だけど、リビング前など、家の中が暗くなるのは絶対に避けたい方「強度」と「明るさ」という二律背反を解決する、唯一無二の選択肢です。
アーキフラン後方支持による開放感¥¥¥¥敷地が狭い、車の出し入れを最優先したいなど、機能的な利便性を求める方開放感は魅力的ですが、構造上の注意点をしっかり理解した上で選ぶべきです。

デザイン、予算、そして「標準」とは?暮らしに合わせたリクシルのカーポート選び

【究極のデザイン】カーポートSC:価格以上の価値と、知っておくべき3つの注意点

【究極のデザイン】カーポートSC:価格以上の価値と、知っておくべき3つの注意点

もし、あなたがカーポート選びで「デザイン」を何よりも優先するなら、答えはもう決まっているかもしれません。それが「カーポートSC」です。

カーポートSCの最大の特徴は、屋根を支えるための中骨(梁)がなく、屋根そのものが構造体となっている「中骨レス」構造にあります。雨樋は柱に内蔵され、ネジやボルトといった金具も徹底的に隠されている。その結果生まれたのは、「屋根」と「柱」だけという、これ以上ないほどミニマルで美しいフォルムです。このデザインは国内外で高く評価され、カーポートとして初めてグッドデザイン・ベスト100を受賞するなど、数々のデザイン賞に輝いています。

実際に、弊社で施工させていただいた佐賀県小城市のY様からも「駐車スペースの雰囲気が良くなった」と、そのデザイン性を喜ぶお声をいただいています。この「家と一体化する美しさ」こそが、カーポートSCが持つ最大の価値だと私は思います。

他社からも似たデザインのアルミ屋根カーポートが出ていますが、雨樋が屋根の下に一段出ていたり、細部の処理が異なっていたりします。雨樋を完全に屋根と柱に内蔵し、下から見上げた時に一切のノイズがない、この完璧なフラットデザインは、リクシルが徹底した意匠登録で守っている、カーポートSCだけの領域なのです。

ただし、この究極のデザインを手に入れるためには、知っておくべき3つの注意点があります。

第一に、価格です。カーポートSCは商品代そのものが高価な上、一般的なカーポートに比べて施工にも手間がかかるため、工事費も高くなる傾向があります。ネスカなどと比較すると、総額で2倍以上になることも珍しくありません。

第二に、屋根がアルミ製のため、光を完全に遮断することです。これは、紫外線や熱から車を守るという大きなメリットである一方、リビングの掃き出し窓の前などに設置すると、室内が暗くなってしまう可能性があります。実際に、「おしゃれに仕上がったけど、車庫が暗くなってしまうのがデメリットだった」というお客様の声もあります。

第三に、アルミ屋根特有の現象です。まず、雨音。ポリカーボネート屋根に比べて、少し高く澄んだ音がします。(音が大きいと言うより違いがある)また、気温や湿度の条件が揃うと、屋根の裏側に結露が発生することがあります。これはアルミの熱伝導率の高さに起因するもので、製品の欠陥ではありませんが、知っておくべき特性です。

これらの注意点は、すべてカーポートSCの「アルミ屋根」という本質から生まれるものです。デザインを取るか、明るさや価格を取るか。これは、あなたの暮らしの優先順位によって決まります。

ここではデザイン面を推しましたが、実は強度も高いです。カーポートSC発売当初から全国にたくさん販売と工事をしてきましたが、風で不具合が起こったことはゼロです。(弊社施工)

また積雪強度も最大で100cm対応までのランナップがあります。

【コスト重視なら】ネスカ:後悔しないための賢い選択基準とフーゴとの本当の違い

【コスト重視なら】ネスカ:後悔しないための賢い選択基準とフーゴとの本当の違い
シャイングレー(屋根材:クリアマット)

「カーポートは欲しいけれど、できるだけ予算は抑えたい」。そうお考えの方にとって、リクシルの「ネスカ」は非常に魅力的な選択肢になるでしょう。

ネスカは、手頃な価格帯でありながら、カーポートとしての基本的な性能をしっかりと押さえたエントリーモデルです。屋根の形は、優しい印象のR(ラウンド)型と、シャープなF(フラット)型から選べます。

最近のSUVやミニバンなど、背の高い車にも対応できるよう、柱の高さも標準で2.2mと余裕のある設計になっているのも嬉しいポイントです。兵庫県神戸市のO様からは「LIXILは高くて手がでないと思っていたが、お手頃に施工して頂き、大変満足です」というお声もいただいており、信頼できるブランドを手の届く価格で、というニーズにまさしく応える商品です。

しかし、ネスカを検討する際に、私が必ずお話しすることがあります。それは、上位モデルである「フーゴ」との比較です。

一見すると、ネスカとフーゴはデザインもサイズもほとんど同じに見えます。価格も、カタログの定価だけ見ると、フーゴが1割程度高いだけです。しかし、実際の販売価格では、フーゴの方が思ったより高くなることが多いのです。これは、業者向けの割引率が異なるためで、この「価格差」こそが、2つのモデルの最も大きな違い、つまり「強度」の違いを物語っています。

ネスカの耐風圧強度が一般的な基準を満たしているのに対し、フーゴはそれよりも一段階強い基準で設計されています。実際に、お客様の中には「二本支柱を選んだが、風の通り道になっていて不安。最初から4本柱(より頑丈なタイプ)にすればよかったと後悔です」という方もいらっしゃいます。

ネスカは決して悪い商品ではありません。しかし、近年の気候変動による台風の大型化を考えると、この「強度の差」が、数年後の安心感に直結する可能性があるのです。予算が最優先であればネスカは素晴らしい選択ですが、「あと少し予算を足せば、もっと大きな安心が手に入る」という視点も、ぜひ持っておいていただきたいと私は思います。

【新時代のスタンダード】フーゴ:なぜ多くの人が最終的にこのモデルを選ぶのか

【新時代のスタンダード】フーゴ:なぜ多くの人が最終的にこのモデルを選ぶのか

もし、あなたが「デザインも、性能も、価格も、どれも妥協したくない」とお考えなら、多くの方が最終的に行き着くのが、この「フーゴ」シリーズです。

フーゴは、リクシルが「これからのカーポートの標準」として開発した、まさに新時代のスタンダードモデルです。ネスカと同じくR(ラウンド)型、F(フラット)型に加え、LIXIL独自のA(アーチ)型という3つのデザインから選べ、カラーバリエーションも豊富です。

フーゴが「スタンダード」と呼ばれる最大の理由は、その安心感のある強度にあります。先ほどお話しした通り、フーゴはネスカよりも高い耐風圧強度を標準仕様としています。最新の構造解析技術によって、目に見えない梁の内部構造まで最適化され、強度が約20%も向上しているのです。さらに、耐積雪性能も20cmが基本のネスカに対し、フーゴは30cmや50cm対応のモデルも選べます。

この「ワンランク上の安心感」が、多くのお客様に選ばれる理由です。実際に、奈良県奈良市のO様は、柱の位置を敷地に合わせて調整できるフーゴの柔軟性を活用され、「狙い通りの位置に設置していただいたので、スペースを有効活用できるようになりました」と、その対応力に満足されています。また、広島県のお客様からは「シンプルで剛性がありそう」という、見た目と強度の両面での評価もいただいています。

近年の異常気象を考えると、もはやカーポートは単なる雨除けではありません。大切な愛車と家族の暮らしを、厳しい自然環境から守る「シェルター」としての役割が求められています。フーゴは、そうした時代の要請に応えるために生まれた、まさに「賢明な選択」と言えるでしょう。価格と性能、そして長期的な安心感。そのすべてを高いレベルで満たしてくれる、非常にバランスの取れたカーポートだと、私は自信を持っておすすめします。

【開放感と注意点】アーキフラン(後方支持):本当にあなたの家に向いているか?

【開放感と注意点】アーキフラン(後方支持):本当にあなたの家に向いているか?
指定なし

「車の出し入れの時、どうしても柱が邪魔になる…」

「家の前の道が狭くて、駐車にいつも気を使う…」

そんなお悩みをお持ちの方にとって、「アーキフラン」のような後方支持タイプのカーポートは、救世主のように見えるかもしれません。前方に柱がなく、180度視界が開けているため、車の出し入れや乗り降りが驚くほどスムーズになります。特に駐車が苦手な方や、ベビーカーや車椅子をお使いのご家族がいる場合、そのメリットは絶大です。

しかし、私はこのタイプのカーポートをおすすめする際には、必ずその構造的なリスクについて詳しくご説明します。この開放感は、大きな代償の上に成り立っているからです。

最大の注意点は、その構造と価格です。通常4本の柱で支える屋根を、後方の2本だけで支えるため、柱や梁は通常よりずっと太く頑丈なものが必要になります。そして、その負荷を受け止めるために、地面に埋める「基礎」は、通常のカーポートの倍以上の大きさ(畳一畳分ほどになることも)が必要になるのです。これが、商品代も工事費も、通常のカーポートより大幅に高くなる理由です。

さらに深刻なのは、強度面での懸念です。カタログ上の耐風圧強度や耐積雪強度の数値は一般的なカーポートと同じでも、力学的に見て、片側だけで支える構造は風や雪に対して不利なのは間違いありません。そのため、私はこのタイプを設置するお客様には、台風や大雪が予想される際には必ず「サポート柱」を使用することをお願いしています。

アーキフランは、特定の条件下では非常に有効な解決策です。しかし、そのメリットだけを見て安易に選ぶと、将来大きな後悔につながる可能性も否定できません。この「開放感」と「構造的なリスク」を天秤にかけ、本当にあなたの家にとって必要な選択なのかを、慎重に判断することが何よりも重要です。

また、人気のカーポートSCにも後方支持タイプを選択することができます。
こちらはアーキフランと違い、完全に柱が後ろに建ちますので、駐車の際、アーキフランのように柱と柱の間に車をいれる必要がありません。

このような構造をしているので、90度回転させて横に柱を建てることもできます。

【カーポートを超えた存在】アーキフィールドとGルーフ:ファサードを創るという選択

アーキフィールド

リクシルのラインナップには、もはや「カーポート」という言葉だけでは表現しきれない製品群があります。それが「アーキフィールド」と「Gルーフ カールーフタイプ」です。

これらの製品のコンセプトは、単に車を置く場所を作ることではなく、住まいの顔である「ファサード空間」そのものをデザインすることにあります。

アーキフィールドは、上吊り構造による完全にフラットで広大なルーフが特徴です。オプションで木目調の天井材やダウンライトを組み込むことで、駐車スペースをまるでリビングの延長のような上質な空間に変えることができます。

一方、Gルーフは「プラスG」というシリーズの一部で、フレームやパネルを自由に組み合わせ、カースペースからアプローチ、庭全体を一体的にデザインするための「パーツ」と考えるべき製品です。屋根を玄関まで延長する「持ち出し仕様」や、自由な位置に柱を動かせる設計は、まさに「空間を創造する」ための機能と言えるでしょう。

当然ながら、これらの製品は非常に高価です。一般的なカーポートとは比較にならないほどの価格帯であり、住まい全体に対して高い美意識とこだわりを持つ、限られたお客様のための選択肢と言えます。カーポートに「機能」以上の「建築的な価値」を求める方にとって、これらは唯一無二の存在となるでしょう。

地域の気候と未来を守る、機能性で選ぶリクシルのカーポート

【台風・強風対策の決定版】カーポートSW/ST:積雪地以外で選ばれる本当の理由

【台風・強風対策の決定版】カーポートSW/ST:積雪地以外で選ばれる本当の理由

カーポート選びで、私がお客様の地域性について必ず確認する理由。それは、近年の気候が、私たちの想像を超えて厳しくなっているからです。特に、毎年のように日本列島を襲う大型台風への備えは、もはや他人事ではありません。

そんな中、「雪国用のカーポート」というイメージを持たれがちな「カーポートSW」と「カーポートST」ですが、実は、台風の多い地域にお住まいの方にこそ、私が最も強くおすすめしたいモデルなのです。

その理由は、屋根材にあります。SW/STが採用しているのは「スチール折板(せっぱん)」と呼ばれる、工場の屋根などにも使われる非常に頑丈な鋼板です。この折板屋根と骨太なフレーム構造により、業界最高クラスの耐風圧強度(

V0​=46m/s相当)を実現しています。ポリカーボネート屋根のカーポートは、あまりに強い風が吹くと、本体を守るために屋根材が飛ばされるケースがありますが、SW/STはその心配がほとんどありません。弊社工事で屋根が飛ばされたことはゼロです。

実際に、長崎県佐世保市のH.T.様も「台風が毎年必ず来る地域なので、強度があるカーポートを選ぶ事としました。実際、強度だけでなく見栄えも満足してます」と、その安心感を評価してくださっています 。

SWとSTの主な違いは耐積雪強度で、SWが30cm~50cm対応なのに対し、STは100cm~200cmという豪雪地帯向けの仕様です。ですから、雪の心配が少ない地域であれば、SWが台風対策の決定版となります。最近では木目調のカラーも増え、見た目も格段に良くなりました。ごついイメージだけで選択肢から外すのは、非常にもったいない。あなたの地域の気候を考えた時、最高の「守り」となってくれる存在です。

【明るさと高強度を両立】ソルディーポート:リビング前の設置を諦めない選択

「台風に強いカーポートは欲しい。でも、SWやSTだと屋根が完全に光を遮ってしまうから、リビングの前には置けない…」

このジレンマは、多くのお客様が抱える深刻な悩みです。家の明るさは、日々の暮らしの快適さに直結しますから。この、誰もが諦めかけていた「強度」と「明るさ」の両立という難題を解決するために生まれたのが、「ソルディーポート」です。

ソルディーポートは、SW/STと同等の高い耐積雪・耐風圧強度を持ちながら、屋根材には光を通すポリカーボネートを採用しています。頑丈なフレーム構造と特殊な屋根押えによって、ポリカ屋根でありながら折板屋根クラスの強度を実現した、画期的なモデルなのです。

これにより、これまでなら強度を優先して暗くなるのを我慢するか、明るさを優先して強度に不安を抱えるかの二択しかなかった場所に、第三の選択肢が生まれました。愛知県のK.Y.様からも「この暑い夏に、玄関に広い日影が作れていることが、よい。特に、暑くなっていない車に乗れることうれしい」と、採光性と遮熱性のバランスを評価する声をいただいています。

もちろん、その分価格は高くなりますが、「リビング前のカーポート」という長年の夢を、最高の安心感と共に叶えられる。ソルディーポートは、そんな特別な価値を提供してくれるカーポートです。

【専門家が語る真実】アルミ屋根 vs. ポリカ屋根(熱・傷・メンテナンス性)

カーポートSCの登場以来、「アルミ屋根とポリカ屋根、結局どっちがいいの?」というご質問を本当によくいただきます。これは一長一短があり、一言で「こちらが良い」とは言えない、非常に奥深い問題です。ここでは3つの視点から、プロとしての見解をお話しします。

  1. 熱の問題:「アルミ屋根は熱くならない?」という心配をよく聞きます。確かに、直射日光で屋根材自体は熱くなります。しかし、重要なのは屋根の下、つまり車内です。アルミ屋根は太陽光を100%遮断するため、熱線(赤外線)を一部通してしまうポリカ屋根に比べて、車内の温度上昇を劇的に抑えることができます。真夏の快適性を考えれば、アルミ屋根に軍配が上がると言えるでしょう。
  2. 傷と補修:ポリカ屋根は柔軟性があるため傷がつきにくいですが、一度深い傷がつくと補修は困難です。一方、アルミ屋根は硬い分、物をぶつけると傷がつく可能性があります。しかし、リクシルからは純正の補修塗料が用意されており、小さな傷であればご自身でタッチアップすることも可能です。専門業者に依頼した場合でも、数万円程度で部分的な補修が可能なケースが多いです。
  3. 長期的な耐久性とメンテナンス:ポリカーボネートは紫外線によって少しずつ劣化し、10年~15年ほどで硬化や変色が目立ってきます。対してアルミは、非常に錆びにくく、経年劣化が少ない素材です。もちろん、どちらの屋根も定期的な清掃は必要ですが、20年、30年という長いスパンで見た時の「美しさの持続性」では、アルミ屋根が優れていると私は考えています。

この選択は、あなたがカーポートに何を求めるかによります。初期費用と明るさを取るならポリカ屋根。長期的な美観と夏の快適性を取るならアルミ屋根。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、ご自身の価値観に合った選択をしてください。

【10年後、20年後の安心のために】私が必ずお伝えするメンテナンスと業者選びの話

ここまで、様々なリクシルのカーポートについてお話ししてきました。しかし、どんなに素晴らしい製品を選んでも、最後の最後で後悔につながってしまう最大の要因が一つだけあります。

それは、「誰が、どのように工事をするか」です。

カーポートは、言ってみれば「半製品」です。工場から届いた部材を、現場で職人が組み立てて、初めて完成品となります。ずさんな工事をすれば、製品が持つ本来の強度を発揮できず、数年でガタついたり、最悪の場合、台風で倒壊したりする危険性すらあります。

だからこそ、業者選びは製品選びと同じか、それ以上に重要です。私がお客様に必ずお伝えしている、信頼できる業者を見極めるポイントは3つです。

  1. 施工実績を必ず確認する:その業者が、あなたが検討しているカーポートの施工経験が豊富かどうか、ホームページなどで必ず確認してください。経験豊富な業者は、製品の特性を熟知しており、イレギュラーな事態にも的確に対応できます。
  2. 複数の業者から見積もりを取る(相見積もり):面倒に感じるかもしれませんが、これは必須です。価格を比較するだけでなく、各社の提案内容や担当者の対応を見ることで、その会社の姿勢が分かります。不自然に安すぎる見積もりは、手抜き工事や後からの追加請求のリスクがあるので注意が必要です。
  3. あなたの話に真摯に耳を傾けてくれるか:良い業者は、あなたの悩みや要望を丁寧にヒアリングし、プロとして最適な解決策を提案してくれます。一方的に商品を勧めてきたり、質問に曖昧に答えたりするような業者は、信頼できません。

そして、設置後のメンテナンスも忘れないでください。年に一度は、ご自身で汚れを洗い流し、ボルトに緩みがないかチェックするだけでも、カーポートの寿命は大きく延びます。私たちのような専門業者に定期点検を依頼するのも良いでしょう。

良い製品を選び、信頼できる業者に正しく施工してもらい、そして少しだけ気にかけてあげる。この三つが揃って初めて、「長期的な安心」は手に入るのです。

未来の安心は、今日の賢明な選択から生まれる

ここまで、リクシルの様々なカーポートについて、お話ししてきました。

結局のところ、後悔しないカーポート選びの秘訣は、「完璧な製品」を探すことではありません。あなたの家族構成、ライフスタイル、家のデザイン、そしてお住まいの地域の気候。そういった、あなただけの「ものさし」に照らし合わせて、最もバランスの取れた一台を見つけることです。

  • デザイン重視なら、多少のコストや注意点を理解した上で「カーポートSC」を選ぶ喜びは、何物にも代えがたいでしょう。強度も高く、劣化にも強い特徴も推しポイントです。
  • 将来の安心と価格のバランスを求めるなら、「フーゴ」は最も賢明で、多くの方を満足させる答えになるはずです。
  • もし、あなたの地域が厳しい自然環境と隣り合わせなら、迷わず「カーポートSW/ST」という名の盾を選んでください。

これは、決して簡単な決断ではありません。大きな買い物ですし、一度決めたら、長い付き合いになりますから。

だから、一人で悩まないでください。もし、この記事を読んでもまだ分からないことや、ちょっとした疑問があれば、どうぞ遠慮なく私たちにご連絡ください。商品を売るためではなく、あなたの10年後、20年後のご家族の快適で安全な暮らしについて、一緒に考えさせていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

あなたの選択が、未来の笑顔につながることを、心から願っています。

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    この記事を書いた人

    リクシルのエクステリア商品の専門家。
    約20年、外構エクステリア業界に携わっています。
    日本全国のお客様と60,000件以上関わらせてもらいました。
    使い勝手が良く、コストを下げる提案が得意です。

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