1台用カーポートのサイズ選びで金額と使い勝手大きく変わる!

「そろそろ、我が家にもカーポートを建てたいな」

そう思って、インターネットで情報を集め始めたあなた。きっと今、こんなことで頭を悩ませていませんか?

「カーポートって、種類が多すぎて何が何だかさっぱり分からない…」

「カタログの数字だけ見ても、実際の使い勝手なんて想像つかないよな」

「安い買い物じゃないから絶対に失敗したくない。でも、一体何を信じたらいいんだろう…」

そのモヤモヤとした気持ち、痛いほどよく分かります。たくさんの情報があふれているのに、本当に知りたい「自分にとっての正解」が見つからない。そんな状況ですよね。

多くの方が、この最初の段階でつまずいてしまいます。そして、価格や見た目だけで安易に決めてしまい、「ああ、もっとちゃんと考えておけばよかった…」と後悔するケースを、私はこの20年間で数えきれないほど見てきました。

この記事は、そんなあなたのためのものです。カタログの数字だけでは決して見えてこない、カーポート選びの「本当の勘所」をお伝えします。

こんにちは、エクステリア専門工事会社コウケンNETカーポート専門館の代表、池本です。私はこの道一筋で約20年、本当に多くのお客様のカーポート選びをお手伝いしてきました。

だからこそ、断言できることがあります。それは、「カーポートは建てて終わりじゃない」ということです。むしろ、私の仕事は工事が無事に完了してからが、お客様との本当のお付き合いの始まりだと考えています。「売りっぱなしにしない」。これが私の信条です。

だからこそ、私は目先の数千円、数万円の安さよりも、お客様が5年後、10年後、そして20年後に「あの時、このサイズにして本当に良かった」と心から思えるような、長期的な快適さと安心感をお届けすることを何よりも大切にしています。

この記事では、商品を売るためのセールストークは一切しません。私が20年間で培ってきた知識と経験のすべてを、誠実にお伝えすることをお約束します。あなたのカーポート選びが、未来の家族の笑顔につながる、そんな選択になるよう、心から願っています。

目次

人気モデル「ネスカ」で学ぶ、カーポートのサイズ選びと価格のカラクリ

それでは早速、具体的な話に入っていきましょう。カーポート選びの基本を理解するために、まずはLIXILの人気モデル「ネスカ」を例にご説明します。ネスカは多くの方に選ばれているスタンダードな商品だからこそ、サイズ選びの本質が見えてくるんです。特に重要なのが、車の出し入れに直結する「横幅(間口)」です。

なぜ横幅2.4mを選ぶと後悔しやすいのか?- 価格と現実のギャップ

カーポートを検討する際、多くの方がまず価格表を見て、一番お求めやすい価格のものに目が行きがちです。それが多くの場合、横幅2.4mのモデルです。しかし、ここにカーポート選びの大きな落とし穴があります。

カタログの寸法上は、一般的な乗用車(幅約1.7m〜1.8m)が問題なく収まるように見えます。ですが、実際に毎日使ってみると「あれ、思ったより狭いな…」と感じる方が後を絶ちません。

一緒に考えていきましょう。横幅2.4mのスペースに幅1.8mの車を停めると、左右に残されたスペースは合計でわずか60cm。つまり、片側あたり30cmしかありません。これでは、雨の日に傘を差しながら乗り降りするのは大変ですし、スーパーでたくさん買い物をした日には、ドアを壁や柱にぶつけないように、そっと開けなければなりません。特にお子様がいらっしゃるご家庭では、チャイルドシートへの乗せ降ろしで、この狭さが毎日のストレスになりかねません。

価格を抑えたいという気持ちは当然です。しかし、そのために毎日の使い勝手を犠牲にしてしまうのは、あまりにもったいないと私は思います。

たった数千円の差で手に入る「毎日の快適さ」- 私が2.7mを強く推奨する理由

たった数千円の差で手に入る「毎日の快適さ」- 私が2.7mを強く推奨する理由

では、どうすればこの後悔を避けられるのでしょうか。答えは、実はとてもシンプルです。

もし、あなたの駐車スペースに30cmの余裕があるのなら、私は横幅2.7mのサイズを圧倒的におすすめします。「でも、その分高くなるんでしょう?」と思いますよね。もちろん価格は上がりますが、その「差額」がどれくらいかご存知でしょうか。ここに、多くの方が知らない重要な事実があるんです。

LIXILのネスカF(1台用、奥行5.0m、標準柱H22)を例に見てみましょう。

  • 横幅2.4mの定価:268,400円
  • 横幅2.7mの定価:285,100円

定価の差額は16,700円です。多くの販売店では定価から割引して販売しており、例えば一般的な割引率である55%OFFで計算すると、実際の価格差は消費税(10%)を加えても、わずか約8,000円なんです。

たった8,000円の初期投資で、これから10年、20年と続く毎日の車の乗り降りが、格段に快適になる。そう考えると、この選択がいかに価値あるものか、お分かりいただけるのではないでしょうか。この30cmの余裕が、雨の日に濡れずに済む安心感や、ドアを気にせず開けられるストレスフリーな毎日をもたらしてくれるのです。

横幅 (間口)メーカー定価 (24-50, H22)2.4mとの実売価格差 (目安)使い勝手のリアル
2.4m268,400円基準ドアの開閉に気を使う。雨の日に乗り降りで濡れやすい。
2.7m285,100円約+8,000円圧倒的におすすめ。 余裕を持ってドアを開けられ、毎日の快適さが格段に向上。
3.0m332,000円約+34,000円さらに余裕が生まれるが、価格が大きく上がる。

横幅3.0mで価格が跳ね上がるのはなぜ? – 柱の強度と安全性の話

横幅3.0mで価格が跳ね上がるのはなぜ? - 柱の強度と安全性の話

上の表を見ると、2.7mから3.0mにサイズアップすると、価格がぐっと上がることが分かります。2.4mから2.7mへの差額が約8,000円だったのに対し、2.7mから3.0mへは一気に約26,000円(合計約34,000円)もアップします。

「これもたった30cmの違いなのに、どうして?」と疑問に思いますよね。

これは単に屋根のアルミ材が増えたから、という単純な理由ではありません。ここには、お客様の安全に関わる、とても重要な理由が隠されています。カーポートは屋根が広くなるほど、風や雪によって柱にかかる負担が大きくなります。横幅3.0mのサイズになると、2.4mや2.7mと同じ太さの柱では、メーカーが定める安全基準をクリアできなくなるのです。

そのため、横幅3.0mのネスカには、専用のより太く頑丈な柱が使われています。この部材の変更こそが、価格が大きく跳ね上がる理由です。これは、ネスカよりワンランク上の「フーゴ」というシリーズでも全く同じ考え方です。つまり、この価格差は「安心と安全のためのコスト」だと言えるのです。

【お客様の声】「おすすめの2.7mにして本当に良かった」というお話

言葉で説明するよりも、実際に体験された方の声を聞いていただくのが一番かもしれません。

先日、神奈川県横浜市でネスカの設置工事をさせていただいたI様も、最初は価格を抑えたいと2.4m幅を検討されていました。しかし、私が今日お話ししたような内容をじっくりご説明したところ、最終的に2.7m幅を選んでくださいました。

工事完了後、I様からこんな嬉しいお言葉をいただいたんです。「最初は一番安い2.4mでいいかと思っていましたが、池本さんの話を信じて2.7mにして本当に良かったです。特に雨の日の子供の乗り降りは、以前のアパートの駐車場と比べて格段に楽になりました。あの時の8,000円は、家族の快適のための最高の投資でしたね」。

この言葉こそ、私がこの仕事をしていて最も嬉しい瞬間です。目先の金額ではなく、未来の暮らしを見据えた選択が、お客様の満足につながった。これ以上の喜びはありません。

上級モデル「カーポートSC」で考える、後悔しないための理想のサイズ選び

さて、基本的な考え方が分かったところで、次はワンランク上のモデル、LIXILの「カーポートSC」を例に、さらに一歩踏み込んだ理想のサイズ選びについて考えていきましょう。カーポートSCは、その美しいデザインで非常に人気が高い商品ですが、価格帯が上がるからこそ、サイズ選びの失敗は絶対に避けたいものです。

デザイン性と価格のバランス – SCにおける2.4mと2.7mの比較

住宅のデザイン性を格段に高めてくれるカーポートSC。この商品を選ぶ方は、やはり見た目の美しさにこだわりたいという想いが強いはずです。だからこそ、使い勝手で妥協してほしくないと私は考えています。

カーポートSCの1台用(奥行5.0m、標準柱)の価格を見てみましょう。

  • 横幅2.4mの定価:479,700円
  • 横幅2.7mの定価:523,700円

定価の差額は44,000円です。これを一般的な割引率45%OFFで計算すると、実売価格の差額は消費税込みで約26,000円となります。

ネスカの時よりも差額は大きくなりますが、総額が40万円を超えるような工事において、この約26,000円をどう捉えるか。せっかくデザインにこだわってカーポートSCを選んだのに、毎日の乗り降りで窮屈な思いをするのは、あまりにもったいないと思いませんか。デザイン性と快適性の両方を手に入れるための投資として、私はこの2.7m幅を強く推奨します。

「後からの変更」は高くつく – 設置後にサイズ変更したくなった場合の現実

ここで、私がこの仕事をしていて、お客様から時々いただく、とても悲しいご相談についてお話しなければなりません。

「すみません…。やっぱり2.4mは狭かったので、2.7mに交換できませんか?」

このご相談を受けるたびに、私の胸は痛みます。お気持ちは痛いほど分かるのですが、一度設置したカーポートのサイズアップは、皆さんが想像する以上に大変で、費用もかさんでしまうのです。

これは、ただ屋根材を交換すれば済む話ではありません。まず、既存のカーポートの屋根と梁を丁寧に一度解体する必要があります。そして、新しい幅に合わせた梁(はり)という部材と屋根材や枠などを改めて発注し、もう一度やり直して設置する。この一連の作業には、解体費、処分費、新しい部材費、そして再設置工事費がかかり、当初節約したはずの2〜3万円が、結果的に10万円以上の大きな出費となって跳ね返ってくることも珍しくありません。

だからこそ、私は声を大にして言いたいのです。カーポートのサイズ選びは、やり直しがきかない一発勝負。最初の選択が、本当に大切なのです。

なぜ横幅3.3mは柱が3本に? – 強度と引き換えに失うもの

カーポートSCのサイズ展開を見ていくと、もう一つ興味深い点があります。横幅が3.0mから3.3mになった途端、定価が約20万円も一気に上がることです。

  • 横幅3.0mの定価:617,100円
  • 横幅3.3mの定価:817,700円

この価格差の理由は、ネスカの時と同じく「強度」の問題です。カーポートSCは、横幅3.0mまでは2本の柱でその美しい屋根を支えることができます。しかし、横幅が3.3mになると、風圧などに対する安全基準をクリアするために、どうしても柱をもう1本、つまり合計3本にする必要があるのです。

商品代金が上がるだけでなく、柱を1本増やすための基礎工事費も追加でかかります。この構造上の理由が、大きな価格差を生んでいるというわけです。

3.3mの意外なデメリット – 「広いのにドアが開けにくい」という罠

「それなら、予算が許すなら一番広い3.3mが良いのでは?」

そう考えるのが自然かもしれません。しかし、ここにプロならではの視点があります。実は、横幅3.3mには、広さと引き換えに生まれる意外なデメリットが存在するのです。

それは、強度を確保するために追加された3本目の柱が、ちょうど車のドアを開ける位置の真ん中あたりに来てしまい、かえって乗り降りの邪魔になってしまう可能性がある、ということです。

屋根の幅は3.3mと広いので、雨には濡れにくいかもしれません。しかし、いざドアを開けようとした時に、目の前に柱があればどうでしょうか。結局、ドアを大きく開けられず、窮屈な思いをすることになりかねません。これは、カタログの数字だけを追いかけていると見落としてしまいがちな、非常に重要なポイントです。「広い屋根」が、必ずしも「使いやすい駐車スペース」を意味するわけではないのです。

【究極の解決策】柱の悩みから解放される「2台用梁延長」という選択肢

「もっと広い屋根が欲しい。でも、乗り降りの時に柱が邪魔になるのは絶対に嫌だ」

そんな、お客様の究極のわがままを叶えるためのプロの技があります。それが、「2台用のカーポートの梁延長タイプを、1台用として贅沢に使う」という選択肢です。

通常、カーポートは屋根の端の近くに柱が建ちますが、この「梁延長」というタイプは、屋根を支える梁(はり)を長く伸ばし、柱を敷地の端まで移動させることができます。これにより、車の駐車スペースの真横から柱がなくなり、広々とした開放的な空間が生まれるのです。

さらに、この梁は現場でカットして長さを調整できるため、例えば3.6mや4.2mといった、規格品にはないオーダーメイドのような横幅を実現することも可能です。アプローチと駐車場を一体にした美しいデザインを叶えたり、変形した敷地を有効活用したりと、その可能性は無限大です。これは、まさに専門家だからこそ提案できる、最高の解決策の一つだと自負しています。

横幅 (間口)メーカー定価 (50サイズ, 標準柱)2.4mとの実売価格差 (目安)柱の本数注意点・専門家コメント
2.4m479,700円基準2本デザイン性は高いが、乗り降りにはやや気を使う。
2.7m523,700円約+26,000円2本価格差以上の価値あり。 SCのデザインと快適性を両立できるベストバランス。
3.0m617,100円約+85,000円2本柱の位置を工夫すれば、広々とした空間を実現可能。
3.3m817,700円約+208,000円3本価格が大きく上昇。 中央の柱がドアの開閉を妨げる可能性があり、注意が必要。
2台用梁延長(別途見積)(別途見積)2本究極の選択肢。 柱の位置が自由になり、屋根の広さと使い勝手を両立できる。

まとめ

ここまで長い時間、お付き合いいただき本当にありがとうございます。

カーポートのサイズ選びで後悔しないために最も重要なこと。それは、ネスカであれ、カーポートSCであれ、「目先の金額だけで判断せず、たった数十センチの差がもたらす10年後の暮らしを想像すること」です。

たった数千円、数万円の初期投資を惜しんだことで、雨が降るたびに少しだけ憂鬱な気持ちになったり、荷物が多い日にドアをそっと開けるストレスを感じたり…。そんな未来は、私はお客様に決して選んでほしくないのです。

私が届けたいのは、カーポートという製品そのものではありません。カーポートがあることで生まれる、家族の「長期的な安心感」です。

もし、あなたの敷地に最適なサイズが分からなかったり、「梁延長」のような専門的な方法に少しでも興味が湧いたりしたら、どうぞお気軽にご相談ください。商品を売るためではなく、あなたの家族がこれから何十年も続く「安心で快適な毎日」を手に入れるためのお手伝いをさせていただきたい。それが、私の心からの願いです。

あなたからのご連絡を、心よりお待ちしております。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    リクシルのエクステリア商品の専門家。
    約20年、外構エクステリア業界に携わっています。
    日本全国のお客様と60,000件以上関わらせてもらいました。
    使い勝手が良く、コストを下げる提案が得意です。

    コメント

    コメントする

    目次